ちょっと驚き、シャーロックホームズ

2012年6月26日

最近、シャーロックホームズを読み始めた。
緋色の研究から始まって、今は二冊目の四つの書名を読み終えたところである。
この四つの書名を読み始めてまず驚いたことがある。
こんな書き出しで始まる。
シャーロックホームズはマントルピースの隅から例の瓶をとりおろしモロッコ皮のきゃしゃなケースから皮下注射器を取り出した。
そして、神経質な白くてながい指先で細い注射針をととのえて、左手のワイシャツの袖を捲り上げ、一面に無数注射張りのあとのあるたくましい前腕から手首のあたりをじっと見ていたが、、、やがて鋭い針をぐっと打ち込み小さなピストンを押し下げて、ほうっと満足そうにため息をもらしながら、ビロード張りの肘掛け椅子にふかくよりかかった。
この数ヶ月というもの、私は日に三度づつこの注射を見てきたがいくら見慣れてもきもちのよいものではない。
(中略)
きょうはどっちだい?モルヒネかい、それともコカインかい?
コカインさ。(引用終わり)
そして、さらにはkの四つの書名の最後の二行にあるシャーロックホームズの言葉は次の通りであう。
僕か、僕にはコカインがあるさ。
と言ってその瓶を取るべく、シャーロックホームズはほっそりした白い手を伸ばした。
(終わり)
これはどう読んでも、シャーロックホームズは麻薬中毒者ではないのだろうか?
物語は英国のビクトリア女王の時代である。
シャーロックホームズは一説にはオックスフォード大学出身のインテリである。
この時代の英国のインテリのあいだでは、推理小説に普通に登場するように、
モルヒネとかコカインは受け入れられていたのであろうか?
これまでのシャーロックホームズのイメージに麻薬常習者は無かっただけに、ちょっとした驚きだった。

2012年6月15日

2012年6月25日

2012年6月15日は記憶しておいたほうが良い日だろう。
何年か後に日本史の教科書化、社会の教科書に載るかもしれない。
ひょっとしたら海外の歴史の本、科学の本に載る日かもしれない。
ほんの10日前のことだから今の時点では記憶に新しい。
この日なぜ記憶しておくべきではないか、と考えるのは三つのことが
同時に起こったからである。
1.大飯原発の再稼動の政府決定
2.消費税増税の三党合意
3.高橋克也の逮捕
こんな大きなことが三つも同じ日に起きなくても良いではないか、と考えるのは自分だけでは無いだろうか?
偶然同時に起きたとは思わず、何らか意図的にこの日にあわせた、と思うのはこの数年間メディアに近いところにいたからであろうか?
大飯原発の再稼動の決定も消費税増税の三党合意も十分この日にあわせることができる。
高橋克也の逮捕がこの日だったのは偶然だろうか、あるいは必然だろうか?
逮捕されてからあれだけのセキュリティカメラのビデオが出てきているところをみると15日まで泳がせていた、と思うのは思いすぎだろうか?
それではなぜこの三つのことを6月15日に同時に発生させたのか?
あきらかに世間に与えるインパクトを小さくするためである。
たとえば新聞の一面記事を考えてみるとよい。
3の高橋克也の逮捕が無ければ全ての新聞の一面記事は大飯原発の再稼動かあるいは消費税の三党合意だろう。ひょっとしたら一面にこの二つの記事が併記されるかもしれない。
ところが高橋克也の逮捕があったので、新聞の一面はこの逮捕になったし、テレビの放映時間のメインはやはり逮捕であり、原発再稼動と消費税増税は大幅に露出を減らすことができた。
つまり、世の中の注意を本来の三分の一以下にしてすり抜けた結果になっている。
偶然とはいえ、結果的には極めつきの広報戦略の成果が発揮されたことになる。