江戸の手ぬぐい

2011年1月17日

年があけて、何をしていたのかと思うまもなくもう17日。
何か今年は昨年とはまったく取り囲まれている周りの
空気が違う感じである。年の初めからこんなに足が
宙に浮いている感じではまずいのだが、、、
写真は、実は日本手ぬぐいの染めである。
絵柄は広重東海道五十三次の品川の宿の絵を手ぬぐい
に染めで写したものである。
数日前にハット思い立ち銀座の大野屋に干支の手ぬぐい
を買いに行った。
何年か前からハンカチに比べてサイズの大きい日本手ぬぐい
が便利でハンカチ代わりに使っている。
ウサギの絵柄のものを捜しに行ったら店の中を物色していて
この多色刷りの手ぬぐいを見つけたのでさっそく買って
しまった。
どのように染めるのか、と店の主人に聞いたら和紙に漆を
塗って固めたらその漆を掘ったものを原板として必要な
色数だけ作って重ね刷りをするそうである。
後で調べたが刷染というらしい。
木を掘るのではなくやわらかい漆を掘るのでそんなに枚数
がすれるわけではない。せいぜい数百枚のようである。
ところがもうこの多色刷りの染めの原板を作る職人がいない
そうである。店の主人いわく在庫が無くなれば終わりです。
つまり、和紙に漆を塗ったものを原板として多色刷りの手ぬぐい
をつくる、という技術と文化はもう無くなるのである。
大野屋には何種類かが数枚ずつだけ残っていた。
技術そのものはもっと高価な着物の染めなどに残っている
のかもしれないが簡単に手が届く値段で普段に楽しみに使う
手ぬぐいの世界からはまもなく消えてしまう。

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