2010年2月21日
先週木曜日、2月18日に沖縄で今後の沖縄の観光戦略について討議する会議に参加した。
議論をするにあたって正月に購入した地図とコンパスの効果がさっそく発揮できた。
沖縄のこれからの観光戦略を考える、と言う会議である。後援はブルーシールアイスクリームとオリオンビール。会議はパネルディスカッション方式。司会は日経新聞出身で現在マルチメディア研究所所長の中島洋氏。パネラーは中田前横浜市長、村上グーグル名誉会長。
高野リッツカールトン前東京支社長それと私の4人である。会議の参加者は約300人、大学生も含めた20台から30台前半の若い人が100以上参加していたのが印象的であった。
中田氏の主張は観光事業を点ではなくそのためのインフラをつくるべきという。村上氏は出身地の大分県の観光の主眼として中国からの観光客の招聘に力を入れようとしているところを紹介。高野氏は沖縄の持っている地理的環境的なよさをもっと発信することの重要さを
指摘。私は最近の地図にはまっているところから、沖縄は明確に中国の、それも上海の海外旅行のできる人たちをメインのターゲットに認知向上の活動を展開するのと同時にギンレイカードを例にとって中国から来る観光客に便利な環境を整える必要性を述べた。
沖縄の那覇と上海の距離は那覇から福岡よりも近く、那覇ー長崎くらいの距離である。とても那覇ー大阪。、あるいは那覇ー東京の距離の比ではなく、そんな近くに世界でもっとも成長のスピードが速く観光出国ブームに沸いている都市がある。
観光戦略としてはまず誰を誘致するかをはっきりさせ、そのターゲットが求めるものを用意すればよいのであって、沖縄の何を売り込むか、というのはtラーゲットが決まってからの話である。これはビジネスの世界ではまず市場を見てその市場の需要を満たすものを商品あるいは製品として提供することを考える。
この機会にまたもや地図とコンパスを持ち出して那覇を中心にいろんな円を書いてみた。驚いたことは那覇ー東京を半径とする円をかくと朝鮮半島のほとんどすべてと中国の沿岸部はすべてその円の中に入るのである。
こんな円を書いてみて思ったのは、沖縄の振興政策は観光事業か?とちょっと疑問に思い始めた。理由はその位置がこれからの中国の発展を考えるときわめて戦略的な位置にあるからである。南の国だから観光、と言うのはどうも短絡過ぎる。もっと南にある台湾はいまやハイテク産業のメッカである。ひょっとして沖縄も中国の発展を視野に入れたテクノロジー産業の場に
することはかんがえられないだろうか?なにも観光だけにたよるのではなく将来性のある要素技術産業、たとえば電気自動車のためのハイテク部品産業のようなことが考えられないのだろうか、これまでずいぶん長い間、継続的ではないが沖縄を見てきている。
そこで語られるのは観光がほとんどである。一時はコールセンターとか一部IT産業を起こそうとして動きもあった。
中国国内での製造を考えれば別だが日本からのハイテク部品輸出を考えたとき沖縄の持つ地理的な優位性は大きいのではないか、。こんなことを考える機会を得られたのが今回の講演会に参加した収穫である。
どうもネットに親しみすぎて最近はややもすると物理的な距離の感覚を失ってきている。しかし、ものの移動、あるいは物理的な接触を考えると距離は厳然として存在する。
人間自身が情報化されてネットのうえを移動できるならともかく物理的物体である限り距離の持つ意味は大きい。
1970年代に教わったある先生から、人と人との関係の強さは距離の三乗に反比例する、と教わった。何のことはない、これは万有引力の法則のひとつなのだが、、、