2010年10月11日
資格検定がいろいろふえているのに気がついたのは最近である。
それまではせいぜい英検とか江戸検定とか、、この程度は知って
いたがいまや写真にあるような検定まである。
住まいの近くの川沿いにカフェスクールがある。
カフェを開店したいと思っている人のためのカフェ学校である。
大きな窓のあるスクールなので覗いてみるとカフェの経営だけ
ではなく、その商品とも言うべきドリンク、デザート、カフェご飯
の教室でもある。
通りがかったら張り紙がしてあるので近寄って見たら写真のような
検定試験の告知だった。
いまどき普通の教室を開いても生徒はやってこない。
ところが検定受験講座とか資格取得講座となるとどっと応募者が
ふえる。関係のある専門学校では内容の充実した本科がこの学校
の売りである。講師陣も内容も充実している。しかし、学生を募集
しても希望者は集まらない。その一方で新しく出来た検定制度の
資格取得講座のほうは本科の20倍も応募者が多い。
推測される背景は昨今のリストラと就職活動に大きく関係している。
昨今、企業は中途採用をするときにきわめて慎重である。中途採用
の目的は即戦力の確保である。これまでは履歴書に書かれていた
経歴をその判断のよりどころにしていた。しかし、ある時期からこれら
の経歴は必ずしも信頼できないことがわかってきた。もちろん経歴
を客観的に正確に記述されている経歴書もあるがほとんどは自己
宣伝であるから贔屓目に、ひどいものでは虚偽の経歴が書かれている
ものまである。そうなるとどんな資格を持っているか、というところに
どうしても判断のポイントが行ってしまう。資格であればその資格を
認定しているところに問い合わせれば事実確認が出来るからである。
また、就職活動をしている側もそれがわかり始めているから資格
取得に懸命になる。
それがエスカレートしていろんな分野にも資格検定を生み出す状況に
なってきている。
実はこれはUSではかなり以前からの傾向である。
e-learningが盛んだがそのほとんどは資格獲得のためのコースである。
また、ワシントンポストという新聞社が立ち直ったのも資格試験に強い
教育事業団体のKaplanと組んだ大学卒業認定受験講座などいろんな
資格検定取得のための教育事業が大幅な収益をもたらしたからである。
この資格検定の静かなブームは当分続くだろう。もし、教育の事業化を
考えている人がいたとしたら資格検定取得教育が狙い目である。
もっと戦略的に考えればなんとか協会をつくり、そこで資格検定制度を
作って発表し、別途教育事業会社を作ってその会社ではその資格検定
取得講座を運営するのである。どんどん協会を作り、どんどん資格検定
制度を作りそれにあわせて教育事業会社が検定取得講座をつくると
いう具合である。
なんとなく、少し前に摘発された漢字検定事業のようだが、あれは公的
な助成金を貰っていたから問題になったのであってまったくの私企業と
してやれば問題はないのではないだろうか。