日銀ってどんな銀行?

2011年11月 4日

円高のことを見ているとこの舞台の主役はどうも財務省と日銀のようである。
財務省に関しては素人大臣がいろいろ発言するので善し悪しは別としてその存在は見えるが、いっこうによく見えないのが日銀である。
そこで、日銀とはどんな銀行でどんな役割を持っているのか調べることにした。
便利なことに、日銀は特別な銀行らしく、その目的とか業務が日本銀行法という
法律で規定されている。
そこで、この日本銀行法を見てみることにした。
法律というからさぞかし難解だろうとおもったらそうでもないのでその条文をいくつか紹介することにする。
第一条
日本銀行は我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨および金融の調節を行うことを目的とする。
日本銀行は前項にきていするもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。
おやおや、第一条を見る限り、円の価値を調整するのは日銀の最大の役目である。
しかも通貨と金融の調節は銀行券の発行と関連付けられている。
さらに、ここには財務省の文字はどこにも現れない。
第二条
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うにあたっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
物価の安定を図ることが日銀の使命であり、そのために通貨及び金融の調節という役割を持っている、というわけである。
この物価の安定、という言葉の解釈が曲者かもしれない。
これまでの経済では物価の安定とは物価の高騰を避ける、という意味であったのだろう。まさか、物価が下がる方向に不安定になっていることは考えていないのかもしれない。マージンも出ないような価格で物を提供し、そのしわ寄せが賃金の引き下げとなり、国民経済の健全な発展とは異なる方向に進んでいるのだが、、しかも、円も一つの商品としてみたとき、円という物の価値の安定を図るのは日銀の使命である、読み取れる。円は市場で取引されているのだから、商品の一つであることは明らかだろう。
第三条
日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は尊重されなければならない。
日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない。
この第三条も意味深い。
日銀は自主的でなければならないそうである。それは通貨と金融の調節にあたって、である。
しかし、昨今の円高の調整には日銀の自主的行動は全く見られない。すべて財務省の指示による相場介入のオペレーションである。日銀は自らの主体性を放棄しているように見えるが、、、、
さらには、日銀は意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない、とあるがこれほど経済の状況が逼迫しているときに円高介入に絡んでも出てくるのは財務大臣など政府だけである。日銀は政府を隠れ蓑にして、風当たりを避けているのだろうか?日銀総裁が最近国民の前でなにか明らかにしたような記憶はないが、、、、
まず、日本銀行法の最初の三条を見てみた。
おおよそ、法律は最初の条文に基本的でかつもっとも重要なことが書かれている。
それを見る限り、なんとなく今の日銀は円高是正に対してやるべきことをやっていないという風にみえる。
別な解釈をすると、日銀は今の状態を決して円高ではない、と見ているのかもしれない。そのあたりについても、日銀はその見解を国民に明らかにする義務がある、と第三条からは読み取れるのだが、、、、、、
日本銀行法は思いのほかわかりやすく、面白そうなのでもう少し読んでみることにする。

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